失恋にも浸れない!〜私、王子様の彼女になったんですか!?〜
「あ、青葉さーん。」

女子の大きめな声が聞こえてきた。



「……はい?」

「湊太君見なかったー?」


「いや……。」

「そっかー。なら陽汰君はー?2人ともいないんだよねー!皆で探してんだー(笑)!どっちでもいいから、チョコ渡したいじゃん!!」


「あ……そうなんだ。えっと……」



そう言って、
相変わらずの小声な声で、


「……わかんない……かな……。」


「そっかー!!もー本当にどこいったのかなー!!」



そう言ってまた、
ガラガラって乱暴にドアの閉まる音。



俺がいるのは知ってながら、
他の女子の事を追い返す姿に……


少しだけ、


少しだけ、
自惚れみたいのが働いて、


また、静かになった図書室で、


本棚から顔をだして、
カウンターの方へ声をかける。



「ありがと。」って、
いつも通り女子にするよう笑って言えば、


「あ、いえ、……図書室、うるさくなるのは困るので……。」


そう言って、
また、下を向く青葉。


って、

やっぱ、な……。



こいつは、
やっぱり全くもって、俺を見ない。


そりゃびっくりするくらいに。


まぁ、出会った時から、
どこが?と言われるくらいだしな。



それでも……

それでも……


そりゃ湊太とは似てる所は少ないけど、

それでも
湊太が好きな奴は

だいたい俺もセットで見てくる奴が多くて。

湊太が好き、
でも無理なら俺。その反対も全然ありで。



って……まぁ
そんなの自惚れなだけか……。



「まぁ、でも助かった。」

優しく笑って、
また言えば、



「//いえ、お構いなく。本……借りるなら、持ってきて下さい。」


そう言って、
そのままカウンターの雑務を進めてた。


赤くなった顔は……

そりゃ、まぁ、



普通にいいかもしんないけど、



俺は、お前の……

あの時の笑った顔がみたいんだけど?

んで、
出来るなら、

またまっすぐなお前の瞳で……。


なぁ?


青葉ともっと近づいたら……


あの顔をまた見れる?


あのまっすぐな瞳で、
俺をみんのかよ?
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