失恋にも浸れない!〜私、王子様の彼女になったんですか!?〜
「何なの。本当に……。」

抵抗に疲れた私が抱きしめられたまま、
大人しく、問いかける。


「……。」



言葉がない代わりに、

抱きしめながら、

私の肩まである髪の毛を弄ぶかのように、


自分の手に
くるくるとさせてる和泉。




「ねー?聞いてんの?」

そう言って、

緩んだ腕から、
少し顔を和泉の胸から離し、上を向く。



そしたら、すぐに、
また、キツく抱きしめられ、




「上向くな。」

って。

は?
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