失恋にも浸れない!〜私、王子様の彼女になったんですか!?〜
「……とにかく、離してよ。」
そう言って顔から視線を外し、さきほどとは違って、ゆっくりと離れようと試みる。
「……湊太。」
「……な、に。」
「そんなに好き?」
いきなりな質問。
……。
……。
「名前呼んで赤くなるほど好きだってか?」
……。
……。
「……あんたには、関係ない。」
……。
もう、終わってしまった恋を
今更、なんて、
言葉にすればいい。
そんな私に……
いきなり、
「……陽、頑張ったよ。」
さきほど
頭をポンポンと撫でていた片手が
背中から離れ、
再び私の頭に触れた。