未定
はじまり。
どうしても眠れない夜がある。
気持ちが高ぶり、思考を止められない夜がある。
それはまるで何かから逃げるかのようにただ、起きている。
とめどなく考えを巡らせている。
そうしないと不安で、魚が眠る時でさえも泳ぎ続けるように、
私は無いしっぽの代わりに頭と携帯を動かせる。

人とつながっていたくて、用事を無理やり絞り出してはメールを送るんだ。
「元気?」なんて聞きたいわけじゃない。
「明日なんだけど‥」って、別に急ぐ用じゃない。
手に収まる小さな機械なんかに依存してる人を見ると
どこか軽蔑してた自分が今はここにいる。
< 1 / 2 >

この作品をシェア

pagetop