笑顔の君とボク




待ち合わせ場所、時間10分前。




遅い。





10分前行動がなってないんじゃないか。






スバルに

いつも制服なんだから、オシャレして来いよ!アピールできるぞ!

なんて言われたが、服が変わっただけで 何も変わらない。





「こんにちは!」





聞き覚えのある声。




笑顔の君だった。


薄いピンクのワンピース、サンダル

夏っぽい。



いつもと違う。



「こんにちは。」


「ひとり?みんなまだ来てない?」


「1人です。」


「そうなんだ!」


と笑顔。



なんでいつも、何にもない事で笑っているのだろうか。







待ち合わせ時刻から3分後



スバル他3人がやってきた。





場所は遊園地だそう。


遊園地内のカフェで


まず挨拶をした。


スバルの他


笑美センパイ


笑美センパイのことを狙っているらしい男 ハルという人

スバルが目当ての女 コトネ

そして、明らかに ボクの近くばかりを歩く モネという女


この人が例の人か。



「ねえねえ♪拓海くんって呼んでもいーい?」


「別に構わないです。」


「わーい!ありがとう♡」


なんだか馴れ馴れしい人だな。


「ねえねえ、拓海くんってー、彼女いるの?」

「いませんが」

「じゃあじゃあー、好きな人はー?」


その時、彼女のとなりにいた 笑美センパイと目が合った。



すぐに逸らして答えた



「いません」





なんだかめんどくさいな。

席を立とうとした



「待って!」


彼女に袖を掴まれた。


「なに?」



「どこいっちゃうの…?」


「ちょっと。」




すると



「ドリンクバーとりにいこっと!」


大きめな声で、笑美センパイが席を立ち言った。


「ボクもドリンクバーを」


席を立ち、ドリンクバーコーナーに行った。


「何飲むー?」


「えっと、烏龍茶を。笑美センパイは?」


「リンゴジュースです!」


もうたっぷり入ったリンゴジュースを笑って見せてきた。



「さっきは、ありがとうございます。」


「え?何がー?」


「どう対応したらいいのか分からなくて」

「あー、そうだね。初めての人だし緊張しちゃうしねー、キミはキミらしく、やりたいようにやっていればいいんだよ!」



また



その笑顔だ。


「リンゴジュースこぼれます」


「あっ!おっと危ないっ」






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