スパイシーショコラ
第5章  アコーディオンの調べ
午後6時30分。

申し合わせた女性社員5人は、揃って残業を終え、帰り支度を始めた。



エレベーターホールに一番乗りしたのは花江で、残りの四人は、未だ女子トイレにこもっている・・・・





案の定、一番最後に現れたのは、最年長、百瀬さんだった。




「あっ、あれ?百瀬さんメガネは?」

皆、初めて見る百瀬さんのメガネ無しの素顔に困惑した。

「え、ええ。アフター5はコンタクトにしてるのよ。知らなかった?」




「・・・・・・・・・・。」




初耳である。



たまにこのメンバーで夕食に出かけることもあったのだが、いつもメガネをかけていたじゃあないか。

まあ、いいか。百瀬さんだって女である。勝負をかけたい日もあるってものだ。


「じゃ、みんな揃ったことだし、出発しますか!!」



興味本位3名、本気1名のメンバーを従え、花江は歩き出した。


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