スパイシーショコラ
駅を降り、商店街を抜けて、路地を入ると、人影もまばらになる。

住宅街にさしかかった辺りで、かすかにアコーディオンの音色が・・・・。



「ア、アコーディオン?!」

「プハ~!!まんまやなぁ~!!」



笑い上戸の夕子と、関西出身、何事にも突っ込まずにはいられないアッ子が思わず噴き出した。




不安がよぎる。



アキラの髪型。



おかっぱである事を、言うのをすっかり忘れていたのだ。


うかつだった。あけすけな彼女達のリアクションに、アキラが傷つかなければ良いが・・・。





次第にくっきりとしてくる、公園の電燈の灯り。

そのすぐ近くに見えるは、アキラの屋台。


不安を抱えたまま、花江は近づいていった。





「どうも、こんばんは~」


「あっ、いらっしゃいませ!!あれ?花ちゃん、今日はお友達と一緒?」


「う、うん、そうなの、みんな会社の同僚なの。昨日のコト話したら、せがまれちゃって・・・・。悪かったかしら・・・・・。」




「へ?そんなことないよ。お客さんなら皆、大歓迎さ!!
皆さん、いらっしゃいませ!!僕アキラっていいます。どうぞヨロシクお願いします!!」



「どーもー、いきなり大勢でゴメンなさいね~お騒がせしちゃって~。
あんまり美味しいチョコレートだって聞いたもんだから、ぜひ食べたいもんだわって、みんなで意見がまとまっちゃって~こんなオバサンですけど、ヨロシク~!アハッツ!」


えっ、百瀬さん、あんなに気合入れてたのに、オバサン自称しちゃって良いの??
も、もっとキャラ作んなくっていいの?
若くても、オカッパはダメっすか~
と、心の中で突っ込みをいれてみる花江。

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