スパイシーショコラ
「コンコンコン!!入ってますか~?」




えっ?!っとばかりに振り向くアキラと流星。



しまった!! また、やってしまった。。。



花江は浮かれ気分になるとつい、もっともやってはならないタイプの親父ギャグをTPOもわきまえずに繰り出してしまう、悪癖の持ち主だった。




二人の顔に、ありありと「引いてます」の文字が浮んでいるのが見て取れた。



が、すかさず流星が「は、はいっちゃってマース!!」とフォローの一言を即座に返してくれたので助かった。


やはり、一流ホストは優しかった。どんなときにも相手に恥を欠かせないこれがプロの「わざ」というものか。





「あは~、こりゃまた失礼いたしましたっとって、まーた、流星さんたらお上手ねぇ~」





一同、体感温度マイナス3度を肌で感じつつも、大人の態度でやり過ごす。




ハハハハハ・・・・・・・。





「実はサー、今、マジ、半端ない話してンだけどォ~」




どっかの政治家の孫みたいな口調で、流星が話しはじめた。


「は、はんぱないって、何が?」




「んー、俺のお客さんでさー、マスコミ関係の人間がいンのよォ~、



ンで、ココのおにーサンのこと話したわけぇ。



そしたら、ガゼン乗り気んなっちゃって、



取材さしてぇーみたいな話ンなっちゃってサー、まじスゴイ鼻息でぇ~



俺も、若干引き気味みたいな~



けど、やっぱお得意さんジャン、

やっぱ、そこんとこムゲにできないっしょっつーことでさー



こうやって、おにーサンに了解を得に来たってわけなのよー。」


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