スパイシーショコラ
「ええー!!!ア、アキラくんテレビとかでちゃうわけぇ~!!!!」





「い、いや、まだ決まったわけじゃないからね、花ちゃん。。。」




充分、一大事である。





「だって、もし、テレビで取り上げられたら、お客さんも増えるし、アキラくんのチョコレート知って、

ファンになってくれる人、きっといっぱいになるよ!!

素敵なことじゃない!!」



「う、うん、確かにそうなんだけどね・・・。」




当の本人のアキラが、一番乗り気でない様子だ。





笑顔は作ってはいたが、瞳の奥では、不安とも哀しみともとれない、



影が映っているようだった。





(きっと、不安なのね。無理も無いわ。。。。)





その鈍い瞳の奥の影の理由を、そのときの花江はまだ、知らずにいた。





・・・・・つづく

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