スパイシーショコラ
おっ!!いいじゃん、イケてるじゃん!!



ヤンヤと歓声を上げる、流星と店員の声が、ショウウィンドウ越しにも聞こえてきた。



(え、もしかして、このままお買い上げ?!)



かと、思いきや、ふと、アキラは何かに気づいた様子。



パンツの腰にぶらさっがている、値札である。



一瞬、ビクッとアキラの体がうごめいた様に見えた。



と、同時に、ものすごい勢いで再びフィッティングルームに消えるアキラ。。。





一瞬の早業に、流星も店員も、まだ誰もそのことに気づいていない。。。




(まったく、コントだねこりゃ・・・)




花江の予想通り、その後、アキラが消えたことに気づいた流星と店員は、これまたお約束どおりのリアクションで、きょろきょろ辺りを見回している。




バタン!!




フィティングルームのドアが開いたかと思うと、脱いだばかりの服を抱え、アキラが小走りに店員に駆け寄った。



ペコペコと、ひたすら平謝りの姿勢で、抱えた服を店員に手渡すと、ものすごい勢いで出口に向かって近づいて来るではないか!!!




(こりゃ、ヤバイッ!!  み、見つかるっ!!!)





大急ぎで、人ごみをかき分け、隠れる場所を探す花江!!!





(どっ、どこ?! 隠れる場所はどこなのー!!!)





焦る花江。




アキラの手がエントランスドアを押していた。





つづく・・・・。

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