アベコベ☆ボーイミーツガール
「好き」
ここは保健室で、ベッドから起き上がったあかりが僕を見て、そう言った。
どうしてこうなったのか?
あれから半年が過ぎ、
高校であかりを見かけることはあってもいつもぼーっとしてて…あかりは僕の存在に気付かないでいた。
またそれが僕を苛立たせる原因となっていた。
でも、どうしても僕はあかりが気になってしまうのだ。
姉は馬鹿だ。
この日、姉はバタバタと下校する前に僕と鉢合わせ、「保健室には行くなよ」と念を押したのだ。
そして、今僕はここにいる。
あかりが騒がしく、目覚め、姉のことを優しいと呟いた時、とてつもなく心が苦しくなった。
夕日が窓から差し、あの時みたいにあかりの目がキラキラと反射して輝いたのを見て、どうしようもない気持ちになった。
そんな時に、あかりが「好き」だなんて。
僕が姉だったら…
「私も」
お得意の声真似で、僕は、その時だけでもあかりに見て欲しかったんだ。
姉ばかり見るあかりに。
勘違いでもいいから。