距離0センチ
いつもの朝




「紫乃おはよ!」

「おはよう」


下駄箱で靴を履き替えていた私に、友達の由結(ユイ)がやってきた。



私、佐々木 紫乃(ササキ シノ)は高校2年。


由結とは1年のときに出会って、すぐに仲良くなった。
2年でも同じクラスで、毎日一緒にいる友達。



GWが明けて、今日からまた学校が始まる。



「ついに学校始まっちゃったね!あー残念!」


そう言って残念そうな顔をする由結。


「そうだ……っうわぁ!?」





突然背中に衝撃がきて、肩が重くなった。

そして引き寄せられた体は自由を奪われる。



ぴったりとくっついた所から、人の体温が伝わってくる。



つまり私は後ろから抱きしめられた。




私の体にまわされた腕を解こうと、グッと手を掴み、



「暑い。離れて」



と、一喝した。




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