距離0センチ
「紫乃先輩……っ!」
「理由なんてなくたって、来年も立花君と花火行くから…」
そんななだめるように、包み込むように抱きしめないで。
気づいたら私はすごいこと口走ってて、
気づいたら私は立花君に抱きしめられてる。
自分がこんなに勢いと感情に任せてしまうとは、思ってなかった。
私は自分でも驚くようなことを、実は心の底で思っていたんだ。
溢れ出た本心に、私の頭が追いつかない。
ああもう、今まで後回しにしてた感情が今になって現れるなんて最悪だ。