距離0センチ
「やばい……嬉しいです」
噛みしめるように言う立花君は、本当に嬉しそう。
「~~っ!先輩!!」
「きゃっ!」
ガバっとまた抱きついてきた。
立花君の逞しい腕が、私を包み込む。
「次はなに!?」
「この嬉しさを伝えようと思いまして!!」
さっきまでとは、打って変わって明るい声。
まったく単純だな、なんて思いながらも、やっぱり立花君はこうでなくちゃと思った。
太陽の光を浴びながら走る彼は、向日葵のようにまっすぐで大きくて、
それは普段からなんだと気づいた。