シロツメクサ
「…今月のバイト代、
四分の一くらい消えた
気がするんだけど…」
「気のせい気のせいっ♪」
満腹のおなかを抱えて、
上機嫌であたしは言う。
「ていうか晴一バイトしてんだー
なにやってんの?」
「サ店の店員」
サ店…?
-‐あ、喫茶店か。
「…ぇええ!?」
「ぇ、何?
そんなに驚くコト!?」
「そーだよっ!
ていうか、晴一がサ店って…!
あはははははっっ!!」
「え、
なんでそんな笑うワケぇ!?」
-‐だって…
だって、晴一がサ店とか…
絶対オーダー間違えるだろうし!
「…っぶ、くくくく…」
「--お前な、
たたきだすぞ」
「スイマセン申し訳ないです
ウソです」
とても冗談とは思えない
声だったから、
あたしはおもわず、
速攻で謝った。
「…んま、
許してやらない事もないけど?」
-‐すっごい偉そう…
若干ムカつくのは、
気のせい??
「…うん、気のせいだと思おう」
「…は?」
「ううん。
なんでもない。
ヒトリゴト」
ハゲっぞ~
と言った晴一を蹴ると、
「あ、そういやさ」
と前置きして
晴一が言う。
「お前、あんとき
何で泣いてたの?」