シロツメクサ
「--…んじゃ」
重苦しい沈黙を破ったのは、
晴一。
「俺そろそろ帰るな。
学校もあるし。
…二度寝したいし
一番最後のが
一番の理由だと思うけど、
そこはつっこまないで置こう。
「ん。
あたしも、流石にヤバいかも笑」
流石にっていうか、
フツーにヤバいんだけどさ。
「お前、怒られねぇのか?」
「んー…
怒られるだろうねーぇ^^」
「んな他人事のよーに言うなよ」
「結構どうでも良かったり…」
「うおー、強ェー!笑」
そんな風に
どうでもいいことを話しながら、
あたしと晴一は並んで、
一番近くの駅へと向かう。
あたしの家は、
その駅の次の駅。
歩けなくはないけど、
時間が時間だから、
一応電車。
-‐ちなみに、
電車代は晴一に借りる笑。
「じゃぁ、また…?」
そこら辺、若干微妙だから
あたしは少し疑問形で言う。
「…だな」
少しだけ微笑んで、
晴一は答える。
「チケット、手に入ったら
メールするから」
「ん、ありがと」
「-‐‐じゃあ」
そう言ったのは、
ほぼ同時だった。
そしてあたしは、
晴一に背を向けた。
エスカレーターの途中で
振り返ると、
晴一の小さくなっていく
背中が見えた。
それが、少しだけ
寂しかったり……
-‐‐なんて、ね。