シロツメクサ
つぅっと、
涙がまた一筋、
あたしの頬を伝う。
零れ落ちる涙が全て洗い流して、
アイツのこと全部、
忘れさせてくれたらいいのに…
そう思って、あたしはただただ涙を流す。
頬を濡らす雫を、拭いもせずに。
「…う~~~っ…
絶対、フッたこと
後悔させてやるんだから~ぁ!!!」
そう決意し、あたしはやっとのことで涙を拭った。
-‐けど
ぽつり。
と、あたしのものじゃない涙が、
肩を濡らす。
「…ぇ、雨ぇ…?」
鈍い灰色の空から落ちてくる、
涙。
それはまるで、
あたしの心の中を表しているようで。
「……あはは、
ナイスシンクロ♪」
なんて、空をほめてみたり。
今までは大嫌いだった雨が、
少し好きになった。
「ぅっわ、マジないわー」
「さいあく~~~」
なんて言いながら、
走っていくカップル。
「…ざまぁみろ」
とか、ちょっとだけ
-‐ユーエツ感?
違うな、
-‐嬉しい?
それともちょっと違う。
まぁとにかく、
そんな風に思いながら、
もちろん傘なんて持ってないあたしは、
雨によってびしょ濡れになって行った。
「…これ、明日風邪引くかな…?」
濡れることなど気にもせず
雨に打たれていたあたしだけど、
不意に思った。
「あんな奴のせーで
風邪引いて学校休むとかほんと、
滑稽としか言いようがないからね」
あ、あたし
“滑稽”なんて言葉
初めて使ったかも(笑