シロツメクサ





「……ぇ」



ジャニーズ関係の人か、
モデルさんか何かかと思った。





-‐だって、それくらい
あたしに傘をさし出してくれている
その人は、カッコ良かった。



「………」


「--えっと…聞いてる?」


「……ぇ、ええ??」



おもわず見とれてしまって、
その人がなんて言ったのか
…聞いてなかった。



「だーかーらっ!
 俺のハナシ、聞いてる!?」


「ぇっと、あ…
 ん~…っと…」



素直に“聞いてなかった”
っていって良いのかな?



「…どっちだよ?」


「……聞いてませんでした…」




んきゃーっっ!


絶対!
絶対怒るよ、この人!!



しかも、
なんかさっきから怖いし…




-‐てか、
なんであたしに傘、
差し出してくれてるの??




「…っそ。
 んまぁ別にいーけど…」




…はあ??


ぇ、何この人。


意味分からないのだが(ーдー;)



「てかお前、濡れてんじゃん」



そーいうあなたも、
あたしに傘かしてくれてる?
せいで、既にびしょびしょですよ。



「早く帰った方が良いんじゃん?
 風邪引くぞ??」



風邪引くのはまっぴらごめんだ。


けど、






「……帰りたくない…」





家には、帰りたくない。





「…ナニお前、
 家出中??」


「…べ、つに…」



全くそんなんじゃないですけれども。



「じゃあ、
 友達ンとこでも泊めてもらえば?」


「親友は二人とも旅行中」


「……じゃあビジネスホテ「お金ない」



ソイツが言い終える前に、
あたしは言ってやった。



-‐ていうかこの人、
なんかめちゃくちゃ変(笑







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