オオカミ専務との秘めごと
そしてさらに自分自身の異変にも気づいてギョッとする。
だって素肌に直接シーツが当たるのを感じるのだ。
「まさか、ハダカ?」
ドキドキしながら手で確かめると、上下の下着は身に着けていた。
けれど・・・。
ごくんと息をのむ。
まったく身に覚えがないけれど、この状況は、隣で寝ている人と何事かをしたんだろうか。
男性って、アレをしたあとに下着をつけてくれるものなの??
というか、今日の下着は上下バラバラの安物で、かれこれ五年は経っている代物。
レースがほつれているし、ヨレヨレ感が半端なくて超恥ずかしい。
って!いやいや、問題はそこじゃなくて!!
あまりにも恥ずかしくて起きないうちに立ち去りたいけど、だだっ広い部屋のどこにも服が見当たらないし、第一、コトを確かめないと気になって仕方がない。
オロオロしていると、隣から衣擦れの音がしてきてベッドが大きく揺れた。
「・・・んだ、朝っぱらから、うるせえな」
聞こえてきた声が低くかすれていて、妙に色気がある。
思わず自分の体を抱き締めた。
本当に、しちゃったんだろうか?この、ヤクザ男と。
「あの・・・どうして私はここに?」
「どうしてもこうしても。公園で寝る女を放っておけるほど俺は鬼畜じゃねえよ」
「ご、ごめんなさい。そしてありがとうございます」
とりあえず、モゾモゾと体の向きを変えて向かい合う。
が、明るいところで身近で見ると、眩しいくらいのイケメンでとても目が合わせられない。