オオカミ専務との秘めごと
「無理じゃない。俺がセーフラインだと言ってるんだ。お前は、俺にレンタルされて会社に勤め続けるか、新聞屋を続けて会社を辞めるか。どちらかを選べ」
なんだか「レンタル」という言葉が危険な香りを含んでいる気がする。
でも、会社を辞めれば今以上の苦労をすることは目に見えている。
私にはもう選択する余地なんかない。
「はい、雇ってください・・・」
「決まりだな。おそらく彼女まがいの仕事もあるだろうが、抱いたりはしないぞ?」
「と、当然です!!」
きっぱり言うと、大神さんはクックックと笑った。
「まったく、俺が大神と知って、取り入ろうとしなかった女はお前が初めてだよ」
「取り入るなんて、まさかです!」
そんなこと思いもしなかったこと。
まさか、今までそんな女性たちとしか出会ってないんだろうか?
驚いていると、頭をくしゃっと撫でられた。
「だから、お前に決めたんだ」
「え・・・?」
それってレンタルのことだろうか。
ずっと、そういう人を探してたってことか。
それから、二人でレンタル規約を定めて契約書を作り、お互いにサインをしてホテルから出た。