オオカミ専務との秘めごと
古代中国が舞台。
皇帝の一人娘の姫は求婚してくる男性に謎かけをして、それが解けなければ処刑をしていた。
ある日姫の美しさに一目惚れをした王子が謎かけに挑み見事解いてしまう。
だが心を閉ざした姫は求婚を断り、王子は逆に姫に一つの謎かけをした。
『私の名前を夜明けまでに知ることができたなら、私は潔く死のう』と。
姫は家来を総動員して名を知るものを捜した。
『今夜は、誰も寝てはならぬ。名を解き明かすまでは』
見つけられなければ皆処刑。
皆が血眼になって探すなか、王子は夜空を見上げ『夜よ消え去れ!星よ、早く隠れてしまえ!夜明けにはあなたを勝ち取ってみせる!』と歌う。
そのテノールの素晴らしい歌声に鳥肌が立つほどに感動していると、一人の女性がつかまり拷問を受け始めた。
あまりの凄惨な表現に目を覆いたくなる。
けれど、最後まで王子の名を明かさずに自らの命を絶ってしまい、切なくて彼女の思いが愛しくて、思わず涙がこぼれた。
それでも舞台から目が離せず、指先で涙をそっと拭いていると、スッとハンカチが渡された。
やがて夜明けが来てしまい、呆然と立ち尽くす姫を王子は抱きしめてキスをし、そっと名を明かす。
自害した女性の愛情と王子の情熱に心を打たれた姫は心を開き、『彼の名は愛』と宣言し、二人は結ばれた。