幸せの青い鳥
他の動物だったら、手や足で気持ちを伝えることができるかもしれないのに。
ボクは思う。
人間だけが言葉を使えて、強い動物は手足が自由で
ボクら鳥たちは翔ぶことしか特技がないなんてズルイよ。
鳥にだってココロがあるってこと、神様はどうして考えてくれなかったの?
今日はとてもお天気がいい。
でもるりちゃんのママがお出かけしなきゃならないから、ボクと比呂は部屋の中で好きなように遊んでいたんだ。
るりちゃんの机の上が大好きで、比呂と一緒にるりちゃんのペンをつついたり。
比呂なんか、何かの紙をかじったりしてるんだ。
るりちゃんに叱られるからダメだよって、ボクがいつも言ってるのに。
るりちゃんが学校から帰ってきた。
ベッドにカバンを投げ捨てて、布団に顔を押しつけて泣いている。
どうしたのかな、様子がおかしい。
るりちゃんは急に振り向いて、
「あ…多呂。そこにいたの?」
こっちにくると、ボクのことをじっと見た。
るりちゃんのそばへ行こうとした時。
「――せん…ぱい……」
涙声と一緒に、ボクの足元にあったかい雨が降ってきたんだ。
るりちゃんは引き出しをそっと開けて、机の上にある男の子の写真をしまいこんだ。
比呂は相変わらず紙をかじって遊んでいたけれど
ボクはその時
まるで電池を抜かれたオモチャみたいに
るりちゃんの泣きはらした目を見ていたんだ。
ボクは思う。
人間だけが言葉を使えて、強い動物は手足が自由で
ボクら鳥たちは翔ぶことしか特技がないなんてズルイよ。
鳥にだってココロがあるってこと、神様はどうして考えてくれなかったの?
今日はとてもお天気がいい。
でもるりちゃんのママがお出かけしなきゃならないから、ボクと比呂は部屋の中で好きなように遊んでいたんだ。
るりちゃんの机の上が大好きで、比呂と一緒にるりちゃんのペンをつついたり。
比呂なんか、何かの紙をかじったりしてるんだ。
るりちゃんに叱られるからダメだよって、ボクがいつも言ってるのに。
るりちゃんが学校から帰ってきた。
ベッドにカバンを投げ捨てて、布団に顔を押しつけて泣いている。
どうしたのかな、様子がおかしい。
るりちゃんは急に振り向いて、
「あ…多呂。そこにいたの?」
こっちにくると、ボクのことをじっと見た。
るりちゃんのそばへ行こうとした時。
「――せん…ぱい……」
涙声と一緒に、ボクの足元にあったかい雨が降ってきたんだ。
るりちゃんは引き出しをそっと開けて、机の上にある男の子の写真をしまいこんだ。
比呂は相変わらず紙をかじって遊んでいたけれど
ボクはその時
まるで電池を抜かれたオモチャみたいに
るりちゃんの泣きはらした目を見ていたんだ。