隣の部屋と格差社会。


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「ここ、ですか?」


佐渡さんに付き合って欲しいと言われ、着いたのはなんと、こども服や雑貨をたくさん売っている可愛らしいお店だった。


店内は小さいこどもと若いママさん達で溢れかえっている。


確かに、一人では行きづらいかもしれない。


「今度、知り合いのこどもの誕生日なんだ。プレゼントを渡したいんだけど、どういうのがいいか全然分からなくて。」


珍しく困ったような顔をしている佐渡さんに、ようやく合点がいった。

こどものプレゼント選びに、保育士の私はちょうど良かったということらしい。


「男の子ですか?女の子ですか?」

「女の子。」

「歳は?」

「今度で6歳だ。」


ということは、来年小学生か。


「何をプレゼントするかは決まってるんですか?」

「ああ。最近髪の毛を弄るのにハマっているらしいから、髪留めかなにかにしようとは思っているんだ。」


だけど、いまいちどれが可愛いか分からないと嘆く佐渡さんの視線の先には、たくさんのヘアゴム。


確かに、この中から選ぶのはなかなか骨が折れるかも。


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