隣の部屋と格差社会。
そんな佐渡さんを見て、気づいてしまった。
私、佐渡さんのことが好きだ。
どうしようもないくらいに、好きだ。
きっと、少し前からずっと好きだった。
困っているときに必ず手を差し伸べてくれる佐渡さんが。
私の知らないことを何でも知っている佐渡さんが。
今隣に居てくれる佐渡さんが。
好きだ、好きだ、好きだ。
「好き…。佐渡さんのことが好きです。」
込み上げてくる気持ちが抑えられなくて、溢れ出てしまった。
それに気づくと、急に心臓が暴れだす。
口に出したことに、自分自身驚いてどう取り繕おうか働きそうにない頭をフル回転させようとしていると、
「…ごめん。」
車内に佐渡さんの苦しげな声が響いた。