隣の部屋と格差社会。
お嬢様、親切なお隣さんに出会う。
「あ、昼間のお役人さん!」
「お役人さんって…。」
私の発言に呆れたように煙を吹き出した彼は、やっぱり佐渡さんだ。
「なんでこちらに?」
「隣に住んでる。」
「え?!」
「住所見て俺も驚いたよ。」
そうだったのか。全然顔に出ないからわからなかった。
入居したときに、『バルコニーの仕切り板なんだけど、前の人が引っ越しのときに物干し竿で破っちゃって。撤去したままなんだよね。まあ、近いうちに新しいの設置するから。』と言っていた大家さんのことを思い出す。
こんなところで。よりによって自室のバルコニーで再会するなんて。
うわあ、最悪だ。もう会わないだろうと今思ったところなのに。