隣の部屋と格差社会。
なんだか心がすっかり軽くなったな。良かった、早起きして。
一週間悶々と悩んでいた自分が馬鹿みたいだ。
あ、フレンチトースト食べたいな。
材料は家にあったかな?牛乳がないや。買って帰ろう。
うーん、気持ちのいい朝だ。
マンションに帰り着くと、時間はまだ9時。
かなりの時間外に居たはずなのに、まだこの時間なんて。
今日はなかなか有意義な1日がすごせそうだ。
そうだ、天気もいいしお布団干そうかな。
そう思い立って、シーツとタオルケットを洗濯機へ入れ、敷き布団をバルコニーへと持っていく。
太陽は随分と高いところまで上がっている。
今日はほんとうに天気が良い。
これは、お布団がふかふかに仕上がりそうだ。
わくわくしながら布団を干していると、隣からがらりと窓を開ける音がした。
気持ちの整理がついていて良かった。これでようやく、佐渡さんと自然に話せそうだ。
そう思って隣のバルコニーを見ると、そこに居たのは佐渡さんではなかった。
「恵美ちゃん?!」
「あ、菖蒲先生だ!」
佐渡さんの部屋の換気扇からひょっこり見えたのは、年長さんの中崎 恵美ちゃんだった。