隣の部屋と格差社会。
お嬢様、女同士の話をする。



知り合いと知り合いが知り合いだったとき、世間の狭さを実感する。


それと同時に、なんだか遠くに一人ぽつんと置いて行かれたような。


いや、今まで近くに居ると思い込んでいただけで、本当はずっと一人だったのかも。


あの日から、佐渡さんの部屋で恵美ちゃんを見かけたあの日から、なんとも言えない孤独感が拭えなくて。


恵美ちゃんが佐渡さんの部屋に居た。


『今日はママがお仕事だから、竜ちゃんの家でお留守番なの。』


恵美ちゃんのお母さんと佐渡さんは知り合い。ううん、それ以上。


どんな関係なんだろう。


そればかり考えてしまって、食事も喉を通らない。

というのは嘘で、三食しっかり食べてます。


それどころか、秋も近づき食欲は深まるばかり。


自分で言うのもなんだけど、お嬢様育ちのはずなのに。いつのまにか随分と図太くなってしまったらしい。


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