隣の部屋と格差社会。
今日もひとり、近所のカフェのテラスでお芋パンケーキを食べる私の頭の中は、佐渡さんの言葉がリフレインされる。
『守りたい人が居る。』
それって、もしかして恵美ちゃんのこと?恵美ちゃんのお母さん?
それとも、2人のこと?
そもそも、佐渡さんと恵美ちゃん、恵美ちゃんのお母さんの関係は何なんだろう。
もしかして、佐渡さんが恵美ちゃんのお父さんってことはないよね。
恵美ちゃんのお母さんはシングルマザー。
ということは、佐渡さんが別れた旦那さんということも充分にありえる話で。
でも、佐渡さんは恵美ちゃんのプレゼントを選ぶとき、『知り合いのこども』と言っていた。
ただの隣人である私に、そんな込み入った事情をわざわざ話さないのは分かる。
でも佐渡さんは、そんな誤魔化すようなことはしない気がする。娘なら娘だと、恵美ちゃんのためにそう言う気がする。
なんとなくだけど、佐渡さんはそう言う人だと思う。思いたい。