隣の部屋と格差社会。
「やっぱり好きな人がいるっていうのは幸せだよ。自分を好きでいてくれる人がいるっていうのもね。
だから、すごく勝手なお願いだって分かってるけど、菖蒲先生には頑張って欲しいの。」
「頑張るって…。」
「竜一君を振り向かせて。」
大きな目をきらきらと輝かせながら、割と無茶なことを言う美奈子さん。
美奈子さん、忘れてしまいましたか?
「私、振られたばかりなんですよ?」
振り向かせるなんて、出来るわけない。
「竜一君は、菖蒲先生のことが嫌いで振ったわけじゃないよ。」
美奈子さんは真っ直ぐじっと見つめてそういうけど、きっと根拠はないんだろうな。