隣の部屋と格差社会。


すると、佐渡さんはきちんと応えてくれた。


「まずは、炊く分だけザルにとって、水が濁らなくなるまで洗う。そしたら、釜に入れてその号数だけ水を入れて、炊飯ボタンを押すだけだ。」


うん、多分これはすごく丁寧に言ってくれているはずだ。


なのに、私にはちんぷんかんぷん。


ザル?号数?炊飯ボタン?


「実際にやっているところ見せて貰ってもいいですか?」

「どこでだ。」

「佐渡さんのお部屋です。」

「そんな簡単に男の部屋に上がるもんじゃない。」

「ごめんなさい。あ!じゃあ、私の部屋では、」

「そういう問題じゃない。」


またもや間髪入れずに突っ込まれた。


ああ、やっぱり迷惑だよね。


自分で解決しよう。といっても、どうすればいいんだろう。

< 19 / 250 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop