隣の部屋と格差社会。
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「係長、係長!」
「あ、悪い。」
「どうしたんですか?最近よく何か考え込んでますよね?」
始業時間前に庁舎内のグループウェアでメールの確認をしていたはずが、いつの間にか上の空だったらしい。
気づけば、同じ課の後輩である高木がデスクのすぐ側に立っていた。
「来年度予算について考えてたんだよ。」
嘘だけど。
「嘘ですよね。」
一瞬でばれた。
「佐渡さん、毎年みんなが焦って積算してる中余裕で定時で帰ってるじゃないですか。去年なんて俺の分までやってくれたし。」
「お前がインフルエンザの先取りなんてするからな。」
あれは本当に大変だった。月次の集計が抜けていた上に、使い回し過ぎが原因か表が崩れていて一から作り直した。