隣の部屋と格差社会。



「それはまた…。熱烈なアプローチをしましたね。」

「うう、晴日先生に思ったことをすぐに口にするなって言われてたのに。」


情けなくて、つい両手で顔を覆ってしまう。


呆れているに違いない、そう思って恐る恐る指の間から晴日先生の顔を覗くと、


「まあ、口にした方がいいときもありますよ。」


案外さらっと肯定されてしまった。


あれ、てっきりこの前みたいに怒られるかと思ったのに。


ずっと反省していたことを意外にも肯定され、なんだか心が軽くなってきた気がする。


「曲がってますよ。」

「あっ。」


出していた紅茶を飲んでいる晴日先生に指摘され、手元を見ると縫い目は物の見事に曲がってしまっていた。


うわ、これはさすがに修正しきれない。また縫い直しか…。


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