隣の部屋と格差社会。


ーーーーピンポーン。


恥ずかしながら、本日2回目の来訪となってしまった。


「これ、ありがとうございました。」

「まあ、いつでも貸すけど必需品だから買っておいたほうがいい。」

「あの…。」

「なんだ?」


お米をはかったコップを返せば用はないはずなのに、扉の前で言い淀む私に怪訝そうな顔をしている佐渡さんは、次は何事だと思ってるんだろうか。


「洗っているときにお米こぼしちゃって。こういうとき、どうすればいいですか?」

「どのくらい溢したんだ?」

「それが、よく分からなくて…。」

「なんで?」

「排水口にながしちゃって…。」

「ゴミ受けは置いてなかったのか?」

「はい?」


ゴミ、受け?…て、一体なにもの?


「ああ、もういい。」

「こ、ごめんなさい!」


さすがにこれは、迷惑すぎましたよね。

そりゃそうだ。

いくら親切な佐渡さんでも付き合いきれないに決まってる。


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