隣の部屋と格差社会。
「佐渡さんにもそうやって圧力かけないでね。」
もうやってるとは思うけど。
一応、顔を合わせたら毎回言うことにしてる。
「もし、焦って上手くいかなくなったらお父さんのせいだから。」
この脅しも毎度のことだ。なのに、
「そしたら、陽子ちゃんと結婚してもらう。」
今日は予想外過ぎる答えが返ってきた。
「え、陽子ちゃんって、あの陽子ちゃん?」
「ああ、お前の従姉妹の陽子ちゃんだよ義兄さんの一人娘の。」
「陽子ちゃん今中学生だよね?!」
「もう2、3年したら立派に結婚できる年齢だぞ。」
菖蒲の幸せを願ってるって言ったのは、一体誰だ。
お父さんはもう、娘の私より優秀な次期社長候補 佐渡さんの方が大事らしい。