隣の部屋と格差社会。
お嬢様、いざ戦場へ。



「今日からこの『やまゆり保育園』で働いて貰います、櫻木 菖蒲先生です。さあさあ、櫻木先生ご挨拶を。」

「は、はいっ!」


緊張のし過ぎで裏返った声にまた緊張を重ねながら、先生たちの前へと出る。


「今日からお世話になります、櫻木 菖蒲と申します。至らないところだらけだと思いますが、一生懸命頑張りますのでよろしくお願いします!」


初出勤、最初の試練は朝礼での挨拶。

震える手を抑えなから、恐る恐る顔を上げると先輩の先生たちはみんな和かに拍手を送ってくれていた。


良かった。


「菖蒲先生は、ゆり組さんね。中尾先生、あとはよろしく。」


園長先生はそう言って、私を『中尾先生』という40代くらいの先生に引き渡した。


「あ、あと今からホールで子供たちにも紹介するから準備しといてね。」

「え?!」


早くも試練2つ目。準備、って何をどうすればいいんだろう。

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