隣の部屋と格差社会。


みんなをトイレに行かせ、手をしっかり洗わせると給食の時間だ。


こどもたちに手伝って貰いながら配膳をすませると、光代先生に支持されたテーブルに着き、みんなの食事のお手伝いをする。


すると、斜め前に座っている男の子がお茶碗にスプーンを突っ込んだまま一口もごはんを食べようとしていない様子が目に入った。


「みつる君、どうしたの?具合悪い?」


まだ名前を覚えられていないので、名前プレートを見ながら問いかけると、みつる君は思いっきり首を横に振った。


良かった。体調が悪いわけじゃないらしい。

けれど、なかなかスプーンを口に運ぼうとしない。


どうしたものかと困りながら、みつる君の手を取って口に誘導する。


すると、

ーーーぱく。

あ、食べてくれた!


みつる君はやっと一口ごはんを食べてくれた。

それから、誘導しないと食べてくれないみつる君を補助することなんと1時間。


食べ終わったころには、もうみんな自らお着替えを済ましお昼寝の準備に入ってしまっていた。



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