隣の部屋と格差社会。
「菖蒲先生の髪の毛かわいいね。恵美にもやってー。」
可愛らしい声に振り向くと、そこには年長さんくらいの女の子が立っていた。
か、かわいい!
目がくりっくりで、まん丸な頬っぺたがびっくりするほどに可愛い。
名前プレートを見ると、『中崎 えみ』と書かれている。
単純な編み込みの入ったポニーテールだけど、せっかく恵美ちゃんの髪の毛は思いっきり可愛いくしよう。
「恵美ちゃんの髪の毛さらさらだね。」
「えへへ、いつもお母さんが洗ってくれるの。」
「そうなんだ、いいねー。」
それから、恵美ちゃんはお母さんのことを嬉しそうに語っていた。
本当に、お母さんが大好きなんだな。