隣の部屋と格差社会。
お嬢様、失敗を犯す。
やまゆり保育園に勤め始めて、早いものでもう2ヶ月。
季節はようやく梅雨に入った。
毎日雨で、外遊びが出来ないのでこどもたちも元気が有り余っている。
そんな6月中旬のある日。
「一体どういうことなんですか?!」
ヒステリックな声が事務室に響く。
この声の主は、私のクラスであるゆり組さんのみつる君のお母さん。
お母さんの攻撃的な目は、完全に私のことを捉えている。
静まり返った事務室の空気が肌に刺さって痛い。
やまゆり保育園に来て2ヶ月。
こんなにも背筋が冷たくなったのは初めてで。
ことの発端は、昨日の私のミスによるものだ。