隣の部屋と格差社会。
「完全なクレームだったらそこまで気にならないが、自分に非があるときはきついよな。理不尽なことでも、自分が悪いと思う。
でも、そこは選別すべきだと思うけどな。」
「選別…?」
「ああ。大概怒りがヒートアップしてるときは、普段そこまで気にしてないことまで捲し立ててしまうこともある。」
ふぅ、と真っ白い煙を吐き出す佐渡さんの話が胸の奥へと染み込んでいく。
「全部を鵜呑みにしなくていいんだよ。自分で気にすべきこととそうでないことをちゃんと整理した方がいい。」
なるほど…。
私は今、お母さんに言われたこと全てを受け止めようと必死で、でも受け止められなくて押しつぶされそうになっていた。
整理、か。確かに、今一番大切なことかもしれない。
私の頭の中では今、お母さんに言われた言葉がぐるぐると回っているだけだ。
直さなければいけない点は、しっかりとピックアップしないと。
そして、そうでないところはしっかり分けよう。