隣の部屋と格差社会。
「『わざとらしい作り笑顔が見てて腹立たしい』そう言われたんです。」
今日言われた、ショックな言葉第2位に位置するこの台詞を口に出すだけでまた心が抉られる。
でも。
「私、やまゆり保育園で一度も笑顔なんて作ったことないんです。いつも心の底から笑ってるんです。」
お母さんにそう言われてしまったということは、そう見えてしまっていた。そういうことなんだろう。
でも本当に、こども達の元気な姿を見ると笑顔になれる。
それは偽りない真実だ。
「他の奴は皆分かってるよ。」
新しい煙草に火をつけた佐渡さんは、そんな嬉しい台詞をぶっきら棒に言うもんだから、つい笑ってしまった。
「必ず信用を取り戻します。」
私にできること、それはやっぱり『次』頑張っていくことしかないみたいだから。