隣の部屋と格差社会。
『ダブルチーズバーガーピクルス抜き』という、慣れていないと出来ない格好いい注文をした晴日先生は、未満児さんクラス、たんぽぽ組さんの先生。
23歳で私よりも年下だけど、保育士3年目の先輩だ。
「菖蒲先生、もしかしてここ初めてですか?」
「え、はい実は…。」
「ああ、敬語じゃなくていいですよ。菖蒲先生の方が年上なんだから。」
「でも。」
「私、年上の人に敬語使われると変な気がして居心地悪いんです。」
だから、ね?と笑顔でそう言う晴日先生はすごくフレンドリーで話しやすい。
でも、お互い忙しくてろくに話したことがなかった。だから、今日誘ってもらってすごく嬉しい。
ハキハキしていて明るい晴日先生とは、すごく会話が進んだ。
園では話せないようなことも話し、もう1時間以上はここに居るな、こんな長時間居ても大丈夫かな、そんな心配が頭をよぎり始めたとき、
「菖蒲先生って、」
晴日先生は、すごく興味津々な顔で聞いてきた。