隣の部屋と格差社会。



「うわ、暑いな。」


今日の天気は晴れ。最高温度は30度以上の真夏日だ。

この前まで肌寒かったっていうのに。


ごみ捨て場に行くだけで汗を掻いてしまうほど。


これは、日焼け止めを念入りに塗らないと肌の弱い私はきっと1日で真っ赤になるな。


何を着て行こう、そう思っていると、



「おはよう、早いな。」



そう背後で心地の良いテノールが聞こえた。

この声は…。


「佐渡さん…。おはようございますっ!」


うわっ、声が大き過ぎた。なんで、私はこんなに力んでるんだろう。


「仕事か?」

「いえ、今日はお休みです。」


落ち着け、私。平常心、平常心。

そう思うのに、目の前に佐渡さんが居るという事実だけで高鳴ってしまう私の心臓はおかしくなってしまったみたいだ。


やっぱり、心電図をとった方がいいかもしれない。


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