おきざりにした初恋の話

「別れたい」

「なんで」

「遠くに行くんでしょ」

「ずっと会えないわけじゃない」

「続くわけない」

「なんでだよ」

「離れたくないよ」

「ごめん」

「なんで言ってくれなかったの」

「ごめん」

「謝られたってもう遅いよ」

「…ごめん」

「離れたくなったの?」

「別れるためにこの大学を選んだわけじゃない」

「意味わからない」

「俺はなんで別れなきゃいけないのかがわからない」

「…無理、だよ」

「……」

「別れたい」


この会話の1週間後には、自分の発言を死ぬほど後悔した。
だけど悔しくて、意地を張り続けた。
とてもとても幼かったから。

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