岡崎くんの恋愛塾
一章

二人の王子サマ

私 神田夏希(かんだ なつき)はとても厄介な奴で。

男子は全員カッコイイ生き物だと思っていました。



腕の血管が浮き上がっていたり、手が骨ばっているだけで気になります。
声が理想の低さだとすぐに聴き入ります。



スポーツをして笑っている姿を見ると見入ってしまいます。
テストでいい点をとった人を見ると追いかけたくなります。



席と席の間を通ってくるだけでもドキリとしていました。
笑っている顔が、一番かっこよく見えました。




ーーそのせいで私はどうやら、やらかしてしまっていたようで。



すぐ人に見入ってしまう私が真面目に体験した初恋の相手はクラスの人気者。
私が好きなところを全部持ったような人でした。




私が地味で静かだったから、何も言わなかったから。
人気者だったアイツは私が気味悪く見ているよ、とでも聞いたのでしょうか。



「俺彼女いるからさ⋯、ごめん。 あんま目立ったことしてほしくないってゆうか」

「⋯⋯は?」




告白してもいないのに盛大にふられました。
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