岡崎くんの恋愛塾
次の日。


「夏希おはよー⋯⋯ってどうしたの?」

「え、⋯おはよう」



次の日の朝。チャイムが鳴る数分前。

上履きに履き替えていると、朝練終わりの佳奈が後ろから話しかけてきた。




驚いた顔をした佳奈。
それは仕方が無いのかな、と私は思った。




「なんでそんな疲れてんのよ」


「ちゃんと寝てるんだけどなぁ⋯⋯」


あはは、と 苦笑いをして誤魔化した。





ずっと男の人を避けてきたのに、昨日のことが衝撃過ぎて疲れが溜まったんだと思う。


考えるだけで体が震える⋯⋯、やっぱ慣れないな。





佳奈が上履きに履き替えるのを待ち、そのまま教室へ一緒に向かうことにした。


今日は昨日のような人集りは出来ていない。 たぶん、他のところで出来ている。


佳奈が言うには、同じバスケ部にいる仁科海人は今頃部室前でファンサービスをしている最中ということだ。
昨日の女子生徒はほとんど全員、あそこに固まっているらしい。


それは仁科海人がもう一人の岡崎泰正より何百倍もモテる、というわけではなく、

あの人は毎日学校に来る時間がバラバラらしい。



そうなると無理して探して遅刻するより、確実に会える仁科海人の方に行くのはそう不自然なことじゃないのかもしれない。





うん⋯⋯そんなことまで考えないといけないのか。面倒くさいな





「そういえば夏希」

「う、うん?」




歩きながらそんなことを考えていると、突然佳奈が話しかけてきた。

短く返事をして、顔を佳奈の方に向ける。





「今日から体育種目変わるよ。 テニスでしょ? 一緒じゃん」




ここの体育の授業は二年から選択制で、自分で種目を選ぶことが出来る。

元々合同で行うクラスは、私六組と、佳奈の三組、そして一組の三つだ。




今までは合わず佳奈がいなかったけど、そっかテニスは同じ時期に選んだんだった。





「そうだね。 よかったやっと知ってる人に会えたよ⋯⋯」


「んな事言って今までちゃんとやってきてんじゃん」


「それは相手の人が運良く明るい人だったからやり過ごせたというか⋯⋯、あはは」






よかった⋯⋯。 体育というか運動ホント出来ないからキツかったんだよな



佳奈がいればもう少し楽しく出来そう!
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