岡崎くんの恋愛塾
校門が近付き、話しながら入ると 思わず口を閉じる光景が広がっていた。



「⋯あー、だからこの時間は嫌なんだよなぁ」

「朝練ばっかだったから⋯。 お久しぶりだわ」




二人で呆れ顔をしながら直視したのは、校門と校舎の間にある大きな中庭。



石畳に埋め尽くされ、きちんと整備された花壇が目立つ中庭。
そこに広がっていたのは、数え切れない程の女子の姿だ。



ここ東日高高等学校は難関校で人気、そしてスポーツで人気、そしてもう一つ人気の理由がある。



それはこの一部の女子生徒が答え。


「海人ー! おはよー」

「岡崎くーん!」


集団の中心にいるのは、嫌でも私も知ってる顔だった。
一年、二年、三年の先輩まで集団に入って名を呼ばれた二人を追いかける。



キーンと響く女子生徒の声に、


「いたっ⋯⋯」


私と佳奈は目を瞑り耳を咄嗟に塞いだ。
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