岡崎くんの恋愛塾
いつも通りの時間が過ぎ、帰りのHRを終える。


人見知りをする私でもやっとクラスに慣れてきて、「じゃあね」と言い合える友達も出来た。


チャラい人とか派手な子がいたりするけど、さすが東日高。

みんな人が良くて、すごく話しやすい人ばかりだ。


あまり思い出したくないけど、今思うとあの人が勝手にフってくれなかったら今頃私はここにはいないんだろうなと思った。



あの人が私を苛立たせてくれたから、私は馬鹿みたいに勉強出来たんだから。

そう思うと感謝出来なくもない。皮肉な感じ、あるけどね。



出席番号順に交代する掃除当番、今は一番から八番までで、私には当たらなかった。


リュックを背負い、スマホの電源を入れた。



そろそろ最初のテスト、中間テストがある。


大学も一般で受けるけど、成績を落とされるとなんだか癪。



画面に写った時刻は『16:23』



塾に行っていない私は放課後は大抵地元の図書館か、自習室に入り浸ることが多い。

けど試験の時期になると人が多くなる。


「うーん⋯⋯」


人が多いの⋯⋯嫌なんだよなぁ。

今日はあっちの方にしておこうかな。



思い浮かんだのはある場所。

どこか楽しくなった気分を感じながら私はイヤホンを耳にさし、いつものように英単語を聞いた。
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