レンタル彼氏 。
あなたは何者
真央に頭を撫でられるのは
嫌いじゃない 。
初めて会ったのにそう思わないのは
何で ?
「 あ、これ契約書だから 。 」
そう言って取り出された紙 。
契約書 と でかでかと書かれたその紙 。
ん?まてまて、てことは ……
「 え、ほんとに私の彼氏になるの !? 」
ただのいたずらだと思ってたのに 。
「 だからそう言ってんじゃん 」
そう言って笑う真央 。
でも私には好きな人がいる … のに 。
「 ぜーったいに、認めない ! 」
叶わない恋だってわかってるけど
だけど、簡単に諦めたくない 。
「 あ、お前好きな奴いるんだっけ ? 」
急に真面目な顔になる。
真央のその さっきからコロコロ変わる
表情のスイッチはどこにあるのよ 。
「 いる … けど 」
叶わない恋なんだよ。
そう言いかけて口を閉じた。
叶わないなんて思いたくない。
頑張らせて欲しい。
隣にいなくてもいいから、
そばにいたいよ 。
「 あ ~ 幼馴染み ? 」
平然と答えを当ててくる。
「 え、 なんで知ってるの ?? 」
やっぱり真央とは知り合いだったのかな ?
「 内緒 。 でもあいつ彼女いるだろ 」
真央は俺にしとけよ、って呟いた。
とても寂しそうな顔で 。
無言の私にごめん、と呟いて
真央はソファーに座りなおした。