レンタル彼氏 。
結局、電話がかかってきた7時から
一時間半がたった 。
スペシャル番組だったらしい
クイズ番組も終わり、
リモコンをぽちぽちする。
気が散る 。
駅で待ち合わせって、まだ待ってるのかな
いや、そんなわけ無いか。
今は春とはいえ、夜はとても寒く冷える。
桜も遅咲きで、咲くのが遅かった。
外は寒いのか …
ふと座っているソファーに目を向ける。
あ、真央の上着。
寝ていた私にかけられていた真央の
上着は起きたとき私がソファーにかけたまま。
てことは、
上着も着ないで
外にいるかもしれないってこと?
「 ちょっとだけ、ちょっと確認するだけ 」
ほんとにちょっと、
いるかどうか確認しなきゃ。
あ、それに上着も返さなきゃいけないし
お礼も言わなくちゃ、うん、
お礼言わないなんてダメだもんね。
四文字の言葉が心の中を支配する。
でも、信じたくなくて、
そんなわけないから。
不審者。
そう思って思ってないことにする。
私はカバンを手に取り、
テレビのスイッチを切って家を出た。
ゆっくり歩いていたのが、
だんだん早歩きに、
そして小走りになっていく。
家から駅は徒歩10分。
私は駅に着くまで走った。
心の中は
会いたい。
で、支配されていた。