レンタル彼氏 。





涙が止まらなく流れてくる。





会いたかった 。





そう思うたびにまた溢れ出す涙。






…あれ ?家の前に誰か、いる ?







暗くてよく見えないけど






ドアの前に誰かが座っているのが見えた。








街灯がかすかに姿を照らし出してくれる 。







「 … 真央 ? 」






何で ?




私の声に反応してこっちを向く。





真央だ 。





帰ったんじゃなかったの?











「 おう、って、何泣いてんだよ 」





真央だ… そう思うと涙が一層止まらなくなる。





真央は立ち上がり、





泣いている私を




抱きしめた。






あったかい 。













「 幼馴染になんかされたのか ? 」





優しい声色。





ふるふると首を横に振る 。







「 じゃあ、俺に会いたかった。とか ?」






ま、違うか、と言葉を足す。






私は うん と






頷いた 。






「 遅くなったけど… 駅に、行ったの 」






いなかったから 。





そうゆうと抱きしめられている手に






力が入った 。






「 もうちょっとあそこで待てばよかった 」






遅れたのは私なのに、責めないんだ。






「 遅れてごめんね 」






顔を上げる。





涙でメイクが崩れてるんだろうなって




思いながら 。





目が合う 。






逸らせない瞳 。






ゆっくりと近ずいてくる真央の顔。








私は、受け入れるように目を閉じた。








触れるだけの優しいキス。







「 誕生日おめでとう。 」







そう言って真央は抱きしめていた私を離した。








食べようと思って、ケーキ買ってきた。







と、お菓子屋さんの袋を私に渡す。






真央の優しさに、





また涙がとめどなく溢れてきた。





ありがとう。





と、小さく呟いた私に





真央は小さく照れ笑いした 。











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